緑内障は慢性、進行性で長期の治療が必要で自覚症状に乏しいので患者さんの協力なくして治療は成功しません。
医師の指示を守ることを「コンプライアンス」、医師と患者さんが協力して治療方法を決定しその治療方法を実行することを「アドヒアランス」と言います。
コンプライアンス不良、アドヒアランス不良は緑内障が進行する重要な要因です。
医師はコンプライアンスやアドヒアランスを改善するよう十分な説明、適切な治療を行うことが求められます。
緑内障の治療目標は生涯の視機能の保持、すなわち日常生活でみづらいあるいは見えなくて不自由することのないようにすることです。
今のところ緑内障では視機能維持治療の指標は眼圧しかありません。
また眼循環や神経保護も大切です。
そのため眼圧の数値にこだわり過ぎて視機能保持を忘れている場合があります。
病変部だけを治療せず身体全体を診なければなりません。医療が細分化された分野で技術革新する一方一人の患者さんをどの領域についてどこまで治療するかということが問題となっています。
自分の人生設計を理解してくれる医師とよく話し合いながら生活指導と治療を受けて下さい。
各人に与えられた時間を有効に使うためです。
【問診】家族歴、糖尿病、頭蓋内疾患、高血圧、近視
【検査】視力、屈折、flicker、調節、眼圧(ノンコンタクト、アプラネーション)、前眼部細隙灯検査、隅角、涙液分泌、視野(HFA30-2,10-2、スクリーニング、GP)
【治療】薬物(点眼、内服)、レーザー(SLT)
ベースライン視野と眼圧が決まるまで2~3回同じ検査を繰り返すことがあります。治療方針が決まったら1~3ヵ月に1回視力、眼圧、眼底、視野を検査し進行が見られれば治療を変更します。